なぜ子供はむし歯(虫歯)になりやすいのか?
乳歯のエナメル質が薄い
乳歯のエナメル質は、永久歯のエナメル質の半分ほどの厚さしかありません。そのため、穴があきやすく、短期間で深いところまで進行しやすくなります。
生えたばかりの乳歯・永久歯は汚れが付着しやすい
生えたての歯は表面が荒く、汚れが付着しやすくなっています。これは、乳歯だけでなく永久歯にも同じことが言え、いずれもむし歯リスクが高くなります。
正しく磨けていない
お子さまにとって「正しく磨く」というのは非常に難しい作業です。 小学校中学年くらいまでは、保護者様が仕上げ磨きをしてあげましょう。また定期的に歯科医院でクリーニング、ブラッシング指導を受けましょう。
ダラダラ食べてしまいがち
お子さんは色んなことに気が散り、食事の時間が長くなりがちです。 特におやつは、ゲームをしながら、テレビを観ながら食べてしまうケースが目立ちます。 早食いはダメですが、食事の際にはできるだけ食べることに集中する環境を作ってあげましょう。おやつをあげる場合は、15分ほどで食べきれる量にしましょう。
年齢別の虫歯になりやすい場所
年齢別の、むし歯になりやすいポイントをご紹介します。 ご紹介するポイントは、特に丁寧に磨いてあげてください。
1~2歳
歯の表面はもちろん、歯と歯茎の境目、隣の歯との境目も丁寧に磨きましょう。裏側を磨くときは、歯ブラシを縦に使い、奥から掻きだすようにするとよいでしょう。
2~3歳
歯の側面だけでなく、噛む面・溝もしっかりと磨きましょう。
4~5歳
歯ブラシが届かないという場合には、ヘッドの小さなものを使うようにしましょう。
6~9歳
高さが出るまでは特に歯ブラシが届きづらいためです。ヘッドの小さな歯ブラシ、毛足の長い歯ブラシで、磨き残しのないように磨きましょう。
9~12歳
特に乳歯は神経まで虫歯が進行することも…
虫歯の乳歯を放っておくと…
「永久歯に生え変わるから」とむし歯の乳歯を放置していると、次のような弊害を生むことになります。
顎の発達に影響する
むし歯のあるのとは反対側の歯を使ったり、よく噛まずに飲み込んだりする習慣がつき、顎の発達が不十分になる・左右差が出る原因になります。
顎の発達は、歯並びや身体のバランスとも密接に関係しています。
永久歯が弱くなる
乳歯が残っている段階から、永久歯はその下で準備をしています。乳歯がむし歯になり根から膿を出すなどすると、形・色の悪い永久歯が生えてしまうことがあります。
永久歯がむし歯になりやすい
永久歯へと生え変わっても、「むし歯菌の多い環境」がリセットされるわけではありません。特に生えたばかりの永久歯は、むし歯菌への抵抗性が低いため、生えてすぐにむし歯になってしまうということもあります。
永久歯の歯並びに影響する
大きなむし歯でその歯の大部分が失われたり、抜歯したりすると、まわりの歯はスペースを求めて移動します。永久歯は乳歯の下から生えてくるため、正しくない位置から永久歯が生えてしまうということが起こり得ます。
また、抜歯によって生え替わりの順番が入れ替わり、歯並びが乱れるということもあります。
むし歯(虫歯)の進行を食い止めるには?
乳歯がむし歯になってしまったとき、年齢、むし歯の進行の程度によっては、本格的な治療を行わずに、進行を食い止める処置に留めることがあります。
サホライドを使用する
むし歯部分を再石灰化するとともに、むし歯に伴う痛みを軽減します。 ただし、サホライドを使用した部分は黒っぽく変色してしまいます。変色した部分を削り、コンポジットレジンを充填するということも可能です。
初期むし歯には高濃度フッ素の塗布
初期むし歯に限られますが、歯科医院専用の濃度フッ素を塗布するという方法もあります。 サホライドのように、歯が変色することもありません。